ひめゆり平和祈念資料館20周年 学徒隊の戦争体験をアニメに

太平洋戦争末期の沖縄戦に動員されたひめゆり学徒隊の元学徒たちが、自らの戦争体験を
約30分の短編アニメにする計画を進めている。元学徒らが運営するひめゆり平和祈念資料館が
開館20周年を迎える09年の完成を目指す。若い世代に戦争体験を伝えるのが狙いで、
今月15日からはアニメ原画の描き手を公募。作品は資料館で上映する。元学徒らが映画を
製作するのは初めて。

ひめゆり学徒隊は沖縄師範学校女子部と県立第一高等女学校の生徒222人。45年3月に
傷病兵の看護などにあたるため沖縄陸軍病院に動員され、軍とともに南部に敗走。6月18日には
突然軍から解散を命じられ、引率の教師13人を含む136人が死亡した。

07年12月現在、79人が健在だが、89年の開館当時27人いた資料館の語り部は14人。高齢化で
語り部が少なくなる中、若い世代にわかりやすく戦争の残酷さと平和の尊さを伝える方法を
模索していた。

学徒隊をモデルにした映画はこれまでも製作されたが、学徒たちが沼で水浴びしてはしゃぐ
シーンなど事実と異なる脚色もあり、元学徒らの間に不満もあった。アニメなら極力脚色せず、
史実を伝えられ、子どもたちにも見てもらえると判断。若い世代に多いアニメ原画の描き手を
公募し、一緒に製作することで平和への願いを共有することを狙った。

原画は、戦前の学園生活や戦場、戦後の元学徒など資料館が指定する12シーンから選んで
描いてもいいし、描き手のイメージを基にした自由作品でも可。

募集は15日～6月末。問い合わせは資料館のアニメプロジェクト係。

毎日jp
http://mainichi.jp/seibu/shakai/news/20080105ddg041040004000c.html