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独創的な作風で若い読者に人気の作家、伊坂幸太郎さんが今月から、週刊マンガ誌
「モーニング」で小説の連載を始めた。小説家が、マンガ誌で作品を発表することは極めて
珍しい。伊坂さんは「マンガを読む目的の読者にどこまで読んでもらえるのか試したい」
と意気込みを語る。
5日発売のモーニングから始まった「モダンタイムス」。物語は、29歳の会社員が見知らぬ
男から拷問を受ける場面から始まる。どうやら浮気を疑う妻が差し向けたらしい。舞台は
数十年後の日本。そこでは徴兵制度が実施されている。さまざまな伏線らしい仕掛けがあるが、
初回を読んだ限りでは、どんな展開になっていくのか予測がつかない。
「もちろん大まかな構想はできていますが、細かい展開は(マンガのように)編集者と
2週間に1度打ち合わせをしながら決めていきます」と明かす。
連載小説はマラソンのようなものだが、この連載はむしろ「全力疾走の積み重ね」に
なりそうだという。「完成度としてはいびつなものになったとしても、変なエネルギーに
あふれた小説になるのではないかな、と期待しています」
モーニングの編集者、佐渡島庸平さんは「マンガの場合は、締め切り直前で面白い展開に
ガラッと変わることがよくある。小説も細かく打ち合わせをしたら、きっとより面白い
作品になる」とマンガ誌連載の醍醐味を話す。
どうしたらマンガの読者にも楽しんで読んでもらえるのか? 1年間ほど頭を悩ませた結果、
ある結論にいたったという。
「最初は活字を減らしてマンガのように気軽に読める作品にしようともくろんでいましたが、
途中で有効な方法ではないと考えるようになりました。小説はマンガと違い、一文に多くの
情報を盛り込むことができるので、脇道でおかしさを出すことも可能。『小説だからこそ
できること』を見つけていける予感がしています」と伊坂さんは語る。
読み手にとって面白い作品ならば、マンガ、小説の区別はないだろう。大胆な挑戦は、
そんな自信に裏打ちされている。
Sankei WEB
http://www.sankei.co.jp/culture/bunka/070417/bnk070417005.htm
モーニング
http://www.e-1day.jp/morning/magazine/