活況のご当地キャラクター商戦 より地域色打ち出し

県内の観光地や名産品と、著名なキャラクターをセットにしたタオルや根付けといった
土産物販売が県内で活況になる中、組み合わせが実態とかけ離れている－と観光関係者が
違和感を持つケースが出ている。リンゴやそばに加え、伊那のローメン、小布施の栗など、
最近はより地域色を打ち出す傾向が強まる。夏場の観光シーズン本番も目前。人気だけでなく、
内容をきちんと分かってもらえるかどうか－。

神奈川県のメーカーは6月、女性に人気の「ハローキティ」がヘッドギアをかぶった
「菅平ラグビー」の根付けやタオルを発売。同社によると、キティちゃんのデザインは
今年「伊那ローメン」「安曇野わさび」なども加わって現在、県内関係で約30種類。
全国では1000種類を超す。大河ドラマ「風林火山」にちなんだ「諏訪湖高島城由布姫」もある。

他メーカーも「戸隠忍者」のキューピー人形や、タレント加藤茶さんの「上高地　河童の
加トちゃん」などを展開。県内各地の土産物店や高速道のサービスエリア（SA）などで売り、
旅行客らに人気だ。

半面、地元の観光関係者が首をひねる図柄もある。キューピーがオコジョになっている商品は、
高山植物が咲く夏山の岩場が背景だが、白い冬毛のまま。キティちゃんが中央アルプスで
ホルンを吹く品は、キティちゃんがいる残雪が遠くに見える山腹の牧草地に、尾根付近にしか
育たない花が咲いている外装だ。

ある業者は「資料を基に細部に気を配っているが、あくまで空想の世界をデザインしている」
と明かす。これに対し、駒ケ根市の山岳関係者は「目くじらを立てるほどではないが、
違和感はある」と苦笑する。

中央道駒ケ岳SAで妻と娘への土産を選んでいた名古屋市の会社員男性（33）は「細部を
追求するほどご当地ものは面白さが増す。できるだけ正確な方いいのでは」と話していた。



信濃毎日新聞
http://www.shinmai.co.jp/news/20070711/KT070709FSI090006000022.htm