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2007/10/29 (Mon)
長崎市を訪れる修学旅行生が減少の一途をたどるなか、市が巻き返し策に力を入れている。

ペーロンやカステラ作りなど長崎名物を生かした体験学習を積極的にPR。
来年度には、修学旅行向けのさるくコースもつくる計画で、
平和学習やキリスト教遺産だけでない「長崎の魅力」の多彩さで売り込みをはかる。
市は「修学旅行生の受け入れは、被爆地としての使命」と懸命だ。

市観光企画課によると、昨年度、長崎市を訪れた修学旅行生は27万7千人。
最盛期だった90年度の74万7千人から3分の1近くにまで減少した。
少子化で生徒数自体が減っているうえ、修学旅行の飛行機利用を解禁する県教委が相次ぎ、
沖縄や北海道などに流れる傾向が強まっているためとみられる。

市が対策として力を入れているのが、修学旅行で重視されるようになった「体験学習」。
長崎市の郊外でのペーロン体験は昨年度、約2万人の生徒を集めた。
参加者からは「一つの目的に向かって取り組める」と好評だったという。
近代化遺産として注目を集める軍艦島へのクルーズもPR。昨年度は約1500人の利用があった。

市は、今年度中にも営業用のパンフレットを改訂する計画で、市内の社会科教諭や
旅行会社の担当者を招いて検討会議を開いている。
また、ボランティアガイドの案内で町を散策する「長崎さるく」が観光客に好評なことから、
来年度には修学旅行「さるく」も計画。小中高生それぞれにあった内容の案内ができるよう、
ガイドの研修も始める。歴史教科書に沿ったコースの検討も進めている。

生徒向けの学習用冊子も全面的に改める。長崎に関する年表を大幅に組み替え、
本史の中で長崎が果たしてきた役割を理解しやすくするようにしたいという。

修学旅行誘致を担当する市さるく観光推進課の馬見塚純治課長は
「被爆体験を継承するためにも、修学旅行生の受け入れは我々の使命。
内容をしっかりと組み立て誘致を進めていきたい」と話す。

修学旅行生らへの被爆講話の窓口になっている長崎平和推進協会の多以良光善事務局長は
「生徒の価値観が多様化する中、様々な体験学習を採り入れるのは、時代の流れなのだろう。
ただ、原爆資料館や被爆体験講話は『必須のメニュー』として加えてほしい」と話している。


http://mytown.asahi.com/nagasaki/news.php?k_id=43000000710270001
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