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2011/05/09 (Mon)
2010年の日本のアニメ業界は、テレビアニメの制作・放送が苦戦する一方で、DVD・Blu-ray
Discなどの映像パッケージの売上げは下げどまり、劇場映画は堅調だった。日本動画協会の
調べで明らかになった。

日本動画協会は、アニメーション産業の振興を目的に、業界関連企業が組織する同業者団体である。
事業の一環として、業界の産業データをまとめている。そのデータの最新版をこのほど更新した。

「日本のアニメ業界・アニメ市場の動向(2011年版)」と題されたデータによれば、2010年の
テレビ放映作品タイトルは195タイトル、テレビ放映制作分数は89586分である。いずれも
前年比で減少となった。

また、年間の劇場アニメ上映作品数は55本、興行収入は336億5000万円だった。
ビデオグラム(DVD、BD、UMD、ビデオ)の年間売上高は759億4600万円となった。

こうしたデータ数字は、近年指摘されるアニメ業界の動向を裏付けるものと言える。テレビ
アニメの不振、新たな事業収益手段としての劇場ビジネスへの関心の増大といった傾向が
読み取れる。

テレビ放映タイトル数は前年比で10.5%の減少、2007年から4年連続の減少である。
過去最高であった2006年の279本からは3割減となる。同様に放映制作分数も4年連続減少、
前年比17%減、こちらもピークであった2006年からは34%減とテレビアニメ制作の減少傾向が
鮮明になっている。

そうしたテレビ制作減少分の受け入れ先となっているのが、劇場映画である。自主公開などを
含む劇場アニメの上映年間55本は、2007年の51本を超えて過去10年間で最も多かった。
テレビ放映を得ずに劇場からスタートする作品の増加を数字のうえから裏付けた。
興行収入も3年連続300億円前後と安定的である。

一方、映像業界全体では6年連続の減少を見せているビデオグラムは、むしろ安定的だ。
2010年は前年比3%増と5年振りに反転した。最も売上の大きかった2005年からの減少率も
22%減となり、テレビ放映の減少率より小さかった。これはこの間にDVDからBDへの
メディアの移行が進み新作の購買単価が上昇したこと、またパッケージメーカーが旧作の
廉価版商品のプロモーションを強化していることなどを反映していそうだ。

「日本のアニメ業界・アニメ市場の動向2011年版」は、「日本のアニメ制作会社の分布
2011年版」、「日本のアニメの海外展開 2011年版」と併せて、日本動画協会の公式サイトより
ダウンロード出来る。

アニメ!アニメ!ビズ
http://www.animeanime.biz/all/11571/
日本動画協会
http://www.aja.gr.jp/data/
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