葛飾の製品にまつわる物語を描く「KATSUSHIKA町工場物語」が完成 2000部の増刷へ

葛飾区の町工場が生み出す優れた製品を紹介する漫画「KATSUSHIKA町工場物語 認定製品
ストーリー集」が完成した。1月の初版7000部は底をつきそうな勢いで、早くも2000部を増刷する
ほどの人気となっている。

「町工場物語」は、区内業者が生産・加工した製品や部品などを対象に、区と東京商工会議所
葛飾支部が認定するブランドで、今年度創設された。優れた加工技術だけでなく、それが
生み出された背景や信頼を得るまでの苦労話など、製品・部品にまつわる「物語」も審査基準の
一つだ。

初回の今年度は、十数件の応募の中から、重さ3トンにも上る巨大ネジや、子どもが口に含んでも
安全な無鉛のブリキのおもちゃなど10件が認定された。

冊子では、これらの製品が誕生するまでのストーリーなどが、公募された5人の漫画家によって
描かれている。このうちの狐塚あやめさん（39）は、歯車メーカー「チバダイス」の工作機械と
葛飾ゴム工業会の家具転倒防止用ゴム「地震耐蔵君」を担当した。

生まれも育ちも葛飾区の狐塚さんは、親せきがビニール印刷の工場を営んでいることもあって、
子どものころから町工場にはなじみがあったが、近所に数多くあった工場が具体的にどのような
作業をしているかまでは知らなかった。今回、漫画を書くために２業者を訪れ、試作品の
製造工程などを見学するうちに、その高い技術に驚かされたという。

狐塚さんは「地元の町工場が、世界レベルの製品を作り出していることを漫画で多くの人に
伝えることができるのはうれしい」と話す。

冊子はA4判87ページ。テクノプラザかつしかで無料配布している。

今年度の認定製品は次の通り（かっこ内は社名）。

太径アンカーボルト（古山鉄工所）▽ブリキのおもちゃ（三幸製作所）
▽CD加工機・加工品（チバダイス）▽おがくず原料の粘土、絵の具（北星鉛筆）
▽画像処理自動選別機（東京技研工業）▽全面印刷ゴムブーツ（ウッドヴァリ）
▽メリヤス肌着（シーブリリアント）▽金型・機械部品補修溶接技術（根津工業所）
▽木製室内遊具（坂本抜型）▽家具転倒防止用ゴム（葛飾ゴム工業会）

YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20080304-OYT8T00116.htm