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2009/03/29 (Sun)
世界最大級のアニメ展示会「東京国際アニメフェア2009」が18~21日、
東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれた。国内のテレビ、アニメ会社を中心に、
海外を含め255社が出展、入場者数は過去最高の約13万人を集めた。
不況を吹き飛ばすビッグイベントのにぎわいと、そこから見えたアニメ業界の課題を探った。

アニメフェアは、東京都などが加わった実行委員会が主催しており、今年で8回目。
見本市と来場者向けのイベント、アニメ作品を選定するコンペティションの三つで構成される
総合展示会だ。4月から放送される「ドラゴンボール改」や「鋼の錬金術師」などの
最新アニメの映像を流すのはもちろん、高さが約5メートルある「機動戦士ガンダム」の壁画、
劇場版アニメ「崖の上のポニョ」の海のシーンを再現したオブジェなどが登場した。

関係者向けのビジネスデーとなる初日は、劇場版アニメ「時をかける少女」で知られる
細田守監督の最新作「サマーウォーズ」(09年夏公開)の制作会見などが開かれ、
俳優の神木隆之介さん(15)や仲里依紗さん(19)が登場した。

 ◇入場者数は過去最高

出展企業は、前回の約290社から255社に減ったものの、一般公開日の20、21日には、
声優のイベントを目当てに来場者が押し寄せるなど、過去最高の入場者数を更新する盛況。
実行委員会事務局は「来場者の滞留時間も増えており、前回よりも確実に盛り上がっている」
と胸を張る。海外からの来場者も増えているといい、「クールジャパン」のパワーを見せつけた。

ただ、アニメの大手9社が協力し、アニメのガイドブック「メーカー横断新作アニメガイド」
を配布する「合従連衡」が見られたように、アニメ会社は現状に危機感を持っている。

 ◇DVD販売伸び悩み

理由は、DVD販売の伸び悩みだ。アニメのビジネスモデルは、視聴者の多いテレビ放送の力で、
DVDやグッズで収益を得る方式。だが近年は「勝ち組」と「負け組」の差が激しく、
DVD1巻で10万本売れる一方で、注目を集めなかった作品は数千本に終わることもある。

「各社が競ってアニメを出しすぎたのかも」(大手アニメ会社社員)という反省から、
現在は作品数が絞られている。08年の春には1週間あたり約100本の作品が放送されていたが、
09年は3割減になる見通しだ。

その一方で、アニメを核にした町おこしへの地方自治体の期待は大きい。今回は、宮城県と
経済産業省東北経済産業局が共同出展し、中国経済産業局もブースを構えた。成功モデルとして
注目されているのが、アニメ「らき☆すた」の舞台として多くのファンが訪れ、
関連イベントが開かれるようになった埼玉県鷲宮町だ。

宮城県白石市では、戦国時代のゲームの人気をきっかけに、領主だった片倉景綱に注目が集まり、
若い女性観光客が急増しており、同県七ケ浜町では、アニメ「かんなぎ」のモデルとなった鼻節神社
にファンが訪れているという。「アニメのコンテンツ発信力は高い。いずれは地元にアニメ会社が
出来て、そこからコンテンツが制作できれば、地域活性化にもなり理想的」(宮城県企画部)
と話している。

ただ、地方自治体が狙う「地元からのアニメ制作、コンテンツ配信」という目標のためには、
地元のアニメ制作会社の存在が不可欠。だが、アニメ会社は東京にほぼ一極集中しているうえ、
長編アニメの制作は、費用も手間もかかる。地方からのアニメ制作には、
資金も技術も人も支援が必要で、まだ課題は多そうだ。

まんたんウェブ
http://mainichi.jp/enta/mantan/news/20090328mog00m200006000c.html
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