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2007/10/24 (Wed)
 歌を歌うコンピュータ、仮想歌手「初音ミク」が注目されている。
 音楽制作ソフトである「初音ミク」は、発売後2カ月弱で音楽制作ソフトとしては異例の1万5000本を販売。
民間企業の調査によれば、音楽制作ソフトの販売数量シェアで6割を超えるという状況だ。
 限りなく人の歌声に近いという商品としての質の高さに加え、これを使った楽曲が日々ネット上で
発表され注目を集めていることも、新たなネット活用の可能性を示した事例として話題を集めている。
 ただ、この仮想歌手という存在には賛否両論あり、一部の報道機関では誹謗中傷とも受け
止められる番組を放送。「初音ミク」の利用者やそれを支持する人たちからの反発を招いた。
 仮想歌手はどのような経緯で生まれ、何を目指しているのか。また、この商品を生み出した
経営者像とは――。クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役である伊藤博之氏に、
「初音ミク」にかける想いを聞いた。

(一部抜粋。全文はソースをご覧下さい)

--「初音ミク」は発売から2カ月弱で1万5000本以上売れており、2万本の大台も見えています。
前作と比べ、機能向上以外でヒットした理由を教えて下さい。

 まず、プロの音楽家は実際の人間の歌声と比べて利用するかどうかを判断されるので、当初から
プロシューマたちに商品を訴求していくべきだと考えていたことが挙げられます。
 その具体策として、こうしたニッチな商品を効果的に認知してもらうためには、ネットを通じて商品を
作っていく過程を出していく戦略がいいだろうと判断しました。前作のときと異なり、ブログも普及して
いたことから、当社のブログを通じて「人間があれこれ考えながら商品を作っている」ということを
前面に出していったわけです。

 また、今回はきちんとキャラクター設定を行いました。なぜかというと、自由は不自由だと考えているからです。
 人間というのはある程度の制限を設けてあげないと、そこで何をしたらいいのか分からないと思うんです。
例えば、砂漠に置き去りにされて「好きなところに行っていいよ」と言われるようなイメージです。
目印がなければ、どこに行ったらいいか分からないですよね。
 ですから、見た目のイメージや年齢・体重などといったある程度のキャラクターの情報を提示することで、
それが弊社のプロダクションと利用者のクリエイションがマッチするための目印になったと思うんです。
この目印があったからこそ、歌を歌わせるのはもちろん、そこに画像や動画なども加わり、利用者たちの
手によってキャラクターの深みが増し、さらにさまざまな歌を歌わせるという好循環に向かったのではないでしょうか。

 正直、コンピュータに歌を歌わせることがこれほど一般の人たちに響くというのは、新鮮に驚きです。
ヴァーチャル・シンガーはヴァーチャル・インストゥルメントの延長線上にあるわけですが、一般の人たちを
含めて、この分野がこれほどの興味を持って受け入れられたということはなかったと思います。


CNET Japan
http://japan.cnet.com/interview/biz/story/0,2000055955,20359336,00.htm
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