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2007/10/14 (Sun)
一九八三年からテレビ東京系で放送されたロボットアニメ「装甲騎兵ボトムズ」の新シリーズ
「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ」が二十六日、DVDで発売される。テレビ放映から二十四年。
ロボットによるリアルな戦闘シーンを表現するため、当時と同じスタッフが3DCG
(三次元コンピューターグラフィックス)を活用して作り上げた新たな「ボトムズ」とは-。

ボトムズは、「機動戦士ガンダム」シリーズなどを手がける「サンライズ」(東京都杉並区)の制作。
銀河を二分する「百年戦争」に投入された、「アーマード・トルーパー(AT)」と称する全長約四メートルの
人型機動兵器に乗り込む兵士キリコ・キュービィーが主人公のロボットアニメ。ただ、ガンダムなどとは異なり、
主人公専用の“別格”のロボットは登場せず、出てくるのは兵器としての量産型ロボットばかり。
ミリタリー色の強い作風が特徴だ。

TVシリーズは一九八三年四月から一年間、テレビ東京系で全五十二話が放送された。視聴率としては
成功したとは言い難い結果だったが、独特な世界観が人気を集め、放映後もTVシリーズ前後の時代を描いた
オリジナルビデオアニメ(OVA)が四作品リリースされるなど、今なお根強い人気がある。

新シリーズで描かれるのは、TVシリーズが始まる前の時代。シリーズ構成・吉川惣司氏、
キャラクターデザイン・塩山紀生氏、メカニカルデザイン・大河原邦男氏らTVシリーズのオリジナルスタッフが
再び集まっている。特徴はロボットの作画に以前のセル画ではなく、3DCGの最新技術を取り入れた点だ。

セルを使ったアニメでは、一枚一枚手書きで絵を描かなければならず、大変な手間が必要になるが、
3DCGならコンピューターの仮想空間上に一度ATの画像を設定してしまえば、自由に角度や動きを変えられる。

新シリーズ第一話の冒頭シーンは、百年戦争最大の激戦といわれた「タイバス渡河作戦」だが、そこに登場する
数百体ものATの進攻は3DCGで表現しており、架空の戦場をリアルに描き出すことに成功した。ほかにも、
一台一台のATの動きばかりか、迷彩塗装を少しずつ変えることもできた。質感そのものもよりリアルになった。

高橋良輔監督は「TVシリーズは『終戦』から始まる。少年時代から軍隊にいて社会性を持たない孤独な主人公キリコの
キャラクターを生み出したのは戦争。新シリーズでは、戦場を描いてみたいという思いがあった」と語る。
ATが数多く登場する大規模な戦闘シーンを高橋監督のイメージ通りに描くには、手書きのセル画では限界があったようだ。

ハリウッドのアニメ映画やコンピューターゲームなどで今や3DCGはすっかりおなじみだが、「ボトムズ」が
放送されていた当時はなかった。「ロボットというのは線が多く、実際に描くのは大変。動きにアニメーターの
センスは入れなければならないが、アニメは動いて映像として定着するところに価値がある。そこに新しい技術が
入ってくるのは時代の流れだろう」。高橋監督は3DCG導入の理由をこう説明し、「アニメにおける現時点での
ロボットのリアリティーにチャレンジした」と胸を張る。

もっとも、当初は現場スタッフにもこれまでの手書きのイメージが強く残っていて、「手書きの方がボトムズらしい
のではないか」といった意見が大勢だった。ファンからも同様の声が寄せられたという。それだけ思い入れの強い作品、
ということか。

新技術によって新たな魅力を吹き込まれたボトムズ。TVシリーズ以来の熱烈なファンの反応はいかに…。

新シリーズは全十二話。第一巻は二十六日発売、各二話収録で以降隔月発売。

東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2007101302056092.html
ボトムズWeb|ペールゼン・ファイルズ
http://www.votoms.net/pailsen/dvd/index.html
http://www.votoms.net/pailsen/
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