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2007/08/30 (Thu)
角川書店は、7月24日に動画配信サービス「アニメNewtypeチャンネル」を開始した。同社の
アニメ情報誌「月刊ニュータイプ」が推薦するアニメ作品などを中心に配信が行なわれている。

PC向けの動画配信サービスにはすでに多くの企業が参入しているが、角川書店のような
出版社が主体となって運営する例はあまりない。そこで今回、同社 メディア部 デジタル
コンテンツグループ グループ長の矢野健二氏と、同グループ ウェブ&モバイルチーム
チーフの水野寛氏にサービス開始にあたっての経緯などを伺った。

――まず最初に「アニメNewtypeチャンネル」を開始されるに至った経緯を教えてください。

矢野:この1、2年でアニメが一般層にも広く視聴されるようになったという流れがあるからです。
子どもやマニアだけでなく一般層まで浸透すると、1人1人が持つアニメに対する濃度が薄く
なる傾向も出てきます。そうすると、月刊ニュータイプのような専門誌を買う必要がないと
感じる層も多くなり、アニメ視聴の広がりが雑誌媒体の売上に結びつかない可能性が出て
しまいます。そこで今回のサービスを通じて、まず「ニュータイプ」という名称を広く知ってもらい、
本誌への関心や購入行動へと繋げていきたいと思っています。

――サービス開始から2週間程度経ちましたが(取材時点)、1番人気を集めている作品は
何でしょうか。

水野:現時点では「涼宮ハルヒの憂鬱」の第1話が圧倒的に視聴されています。

――予告編は無料配信できないのでしょうか。有料話数の購入に繋がると思うのですが。

矢野:予告編は現時点で対象ではありませんが、実現できるようであれば、ぜひ検討して
いきたいと思います。

――今後予定する先行配信作品があれば教えてください。

矢野:現在、テレビ放送している自社作品も配信したいと考えています。配信時期について
ですが、テレビ放送、パッケージ(DVD)販売のあとに開始するのが基本的なスケジュールです。

――YouTubeをはじめとした動画共有サービスでは、アニメの本編映像がアップロード
されていますが、著作権者としてどうお考えでしょうか。

矢野:涼宮ハルヒのヒットでYouTubeなどの口コミ効果はあったと申し上げましたが、だからと
いって本編映像をすべて掲載されてしまうのは黙認できるものではありません。ただ、個人的
には動画共有サービスに対しては、Web上で行なわれるコミックマーケットを代表する同人誌
即売会のような印象を持っています。

例えば、こうした同人誌即売会でハルヒの原作を収録したスニーカー文庫を全ページコピー
して頒布するのは許されませんよね。逆に、作品をベースに2次創作された同人誌などで
あれば、黙認というか頒布を許すことはできるでしょう。それと同じことがYouTubeなどにも
当てはめられると考えているからです。

そして、将来的に成熟してコミケのような存在を確立できれば、そこから才能も生まれてくる
でしょうし、良いプロモーションの場になることも期待しています。

――では、アニメNewtypeチャンネル上でユーザー側が自由に2次創作に利用できる映像
素材を提供するような企画もあり得るのでしょうか。

水野:具体的にいつからとは言えませんが、アニメNewtypeチャンネルでもそうした企画を
やってみたいですね。また、投稿された動画に対してリアクションできる仕組みも作って、
投稿する側、視聴する側の双方が楽しめるような場も考えていきたいです。




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