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2024/11/27 (Wed)
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2007/10/04 (Thu)
1990年代、日本動漫(アニメ・漫画)「セーラームーン」が中国の少女たちを“変身”させていた
ちょうど同じころ、中国の少年たちは「スラムダンク」に夢中だった。

90年代初頭、「週刊少年ジャンプ」誌上で連載がスタートした井上雄彦作のバスケットボール
漫画「スラムダンク」は、日本国内で大ヒットし、アニメ化されるとさらに人気が加速。スーパー
スター、マイケル・ジョーダンを中心とする米国のNBA人気とあいまって、一大バスケブームを
巻き起こした。

その余波は、なんと中国にも伝わっていたわけである。1996年、中国で「スラムダンク」が
テレビ放映された辺りから、中国における日本アニメブームは全盛期を迎えるようになっていた。

中国全土で史上空前のバスケット熱が巻き起こり、中学、高校、大学と、どのキャンパスでも
バスケに夢中になる若者たちが激増した。男子生徒は昼休みの時間を利用してバスケに興じ、
バスケット部は大盛況となる。女子生徒たちは熱いまなざしと声援で熱狂的にバスケ部員を
応援し、中には女子バスケに参加する者も増えたくらいだ。

80年代から90年代にかけて、アジア、ヨーロッパで人気を獲得したサッカー漫画「キャプテン翼」
も中国でのサッカー熱を招いたが、「スラムダンク」の熱気には到底及ばない。

「『スラムダンク』が放映される夕方の時間帯には、みんな必死で家に戻ってテレビの前に
陣取りましたよ」

取材した中国の大学生の男の子の1人はこう語ってくれた。

「見そびれた場合は、昼間の再放送を狙うんです。中学校の近くのテレビが置いてある食堂に
駆けつけたものです。食堂はいつも『スラムダンク』を見たい生徒たちで超満員。授業のあと、
ダッシュで走っていかないと席がなくなっちゃう。店の主人も、生徒たちの熱気に押されて、
立食しながらの視聴を許してくれました」

女の子たちは「スラムダンク」の登場人物、ハンサムで無口でクールな天才プレーヤー、
流川楓に憧れる者が多かったので、その雰囲気に近づこうと、男の子たちは頑張ったそうだ。
流川のキャラクターである「酷(クー)」(クール)という言葉も流行っており、それに拍車を掛けた。
当時、若者たちは「スラムダンク」のコミックを、「青春の教科書」と呼んだという。

こうした「スラムダンク」人気は、中国の実際のバスケットボールの世界を変えていった。
日本を遙かに上回るバスケブームが起きたのだ。

NBonline
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20070926/135915/
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