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2011/02/03 (Thu)
このノンテクニカルサマリーは、分析結果を踏まえつつ、政策的含意を中心に大胆に記述したもので、
DPの一部分ではありません。分析内容の詳細はDP本文をお読みください。
また、ここに述べられている見解は執筆者個人の責任で発表するものであり、(独)経済産業研究所
としての見解を示すものではありません。(中略)

■推定結果

対象として取り上げたのはテレビアニメである。
テレビアニメはDVD販売やレンタルで回収する事業モデルなので被害の大きさが測りやすく、また
コンテンツの長さが規格化されており、また本数も多いので計量分析に適している。さらにアニメは
日本発のコンテンツとして世界的にも評価が高いという点で戦略的な重要性が高い。

個別タイトルのDVD売上枚数、レンタル枚数、YouTube視聴数、Winnyダウンロード数を比較した結果、
次のような知見が得られた。

(1)YouTubeでの視聴はDVDの売り上げを減らさず、むしろ増やす効果がある。
YouTube視聴が1%増えるとDVD売り上げは0.25% 増加する。

(2)特にテレビ放映終了後にはYouTube視聴によるDVD売り上げを増やす効果がはっきりする。
これから考えて、テレビ放映時には見ていなかったがYouTubeで作品を知ってファンになり、
DVDを購入していると考えられる。

(3)YouTube視聴がDVDレンタル回数に及ぼす効果ははっきりしない。少なくともYouTube視聴が
レンタル回数を減らす効果は無いようである。

(4)Winnyによるファイル共有はDVD売り上げには影響を与えないが、レンタル回数は減らす効果がある。
Winnyのファイル共有で作品を入手する人は、DVD購入の代わりにファイル共有を使っているのではなく、
レンタル視聴の代わりにファイル共有を使っていると考えられる。


■政策含意

YouTube視聴は被害を与えておらず、むしろ売り上げを増やしているので、YouTube型の配信ビジネスは
広めることが望ましい。 YouTubeでの配信を嫌って削除を続ける権利者は自ら損をしていることになる。
この意味でダウンロードの違法化は誤った政策であったと言えるだろう。

積極的な政策としては、動画のネット上の配信を励ますような政策が望ましい。これは本来は民間企業が
損得勘定から自らの判断でできることで、政策的サポートは必要とはしない。しかし、個々の民間企業が
自由に判断せず、集団行動(カルテル)をとっているときは問題である。

現在、 YouTubeでのアニメ配信を削除するかどうかは、事実上アニメの制作会社の自由裁量にまかされて
いるので、制作会社の中には宣伝効果を認めて YouTube配信を黙認する企業がある。
このような各企業の自由な試行錯誤の結果、ネット配信がたちあがるのが筋である。

しかし、このとき権利者が著作権団体を通じた団体行動をとると、一律に著作権を強化する方向に走りやすく、
試行錯誤が失われてしまう。著作権者が権利行使について団体行動を取らず、個々の著作権者が自らの
判断で行動できるように監視することが、1つの対策になるだろう。



経済産業研究所(注:執筆者、慶應義塾大学経済学部准教授・田中辰雄氏個人の発表)
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/11j010.html
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