アニメ・漫画・フィギュア情報
2024/11/25 (Mon)
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2008/04/27 (Sun)
東京芸術大学が今春、大学院の映像研究科に新設したアニメーション専攻。教授に、映画
「頭山(あたまやま)」(平成14年)などで知られる山村浩二さん(43)が就任した。画材の質感を
生かした手描きの手法で、高い評価を受けている世界的なアニメーション作家だ。コンピューター
グラフィックス(CG)による作品が台頭する中で、なぜ手描きにこだわるのか。思いを聞いた。
山村さんの作品は、白い紙に鉛筆や色鉛筆、油性のカラーマーカー、水彩絵の具などを
使っているのが特徴だ。いわゆる「マチエール」(材質感、絵肌)が持ち味。これらの画材で
原画を描き、1枚1枚をスキャナー(画像入力装置)でコンピューターに取り込んでいく。
キャラクター主体の従来の日本の漫画映画を指す“アニメ”とも区別するため、山村さんは
あえて“アニメーション”という名称を使う。
「絵は、絵の具を厚く塗ったり、色鉛筆のざらっとした感じだったり、水彩の溶けた印象だったり、
そういう画面上の質感を構成することで成り立っている。肌合いや風合いもアニメーションの
画面を構成する上で大事だなと思ったんです」。絵画を勉強したこともあり、アニメーションとの
関連性をずっと考えてきたという。
例えば、代表作「頭山」は、原画を鉛筆、色鉛筆、カラーマーカー、油性ペンを使い分けて描いた。
緻密な表現でありながら、絵本のような素朴で温かみのある絵。CGではなかなか見られないような
素材感が伝わってくる。
たしかに、デジタル技術の進歩もいちじるしい。「CGの技術の精度は上がっていて、空気感や
霧の感じまで表現できている作品はある。しかし、それでも作り物感はぬぐえない。おおもとの
リアルな物質感がないと思うのです」
何よりも想像力に差が出る、と感じている。「線で描かれた丸の形が人の顔や石に見えたり
しますが、簡略化された線や面に意味を見いだすのは、人間の想像力が補っているから。
本当に人の顔が映っているわけではない。絵は一本の線だけでいろんなものを想像させる力がある。
CGは作り込んでいくから説明になってしまって、想像力がそがれてしまう」
昨今の活躍はめざましい。今年1月に放送された大同生命のCMは、海や船、星空などおとぎ話の
ような構成の作品で話題を呼んだ。映画「カフカ田舎医者」(平成19年)は、世界の主要な
アニメーション映画祭でグランプリになるなど数々の栄誉に輝き、各地で順次上映されている。
東京芸大の教授としての挑戦は-。「アニメーションを社会現象の面でとらえた評論はありますが、
絵画的な分析はみられない。学生と一緒に考えていきたいですね」
MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/game/080426/gam0804260758002-n1.htm
「頭山(あたまやま)」(平成14年)などで知られる山村浩二さん(43)が就任した。画材の質感を
生かした手描きの手法で、高い評価を受けている世界的なアニメーション作家だ。コンピューター
グラフィックス(CG)による作品が台頭する中で、なぜ手描きにこだわるのか。思いを聞いた。
山村さんの作品は、白い紙に鉛筆や色鉛筆、油性のカラーマーカー、水彩絵の具などを
使っているのが特徴だ。いわゆる「マチエール」(材質感、絵肌)が持ち味。これらの画材で
原画を描き、1枚1枚をスキャナー(画像入力装置)でコンピューターに取り込んでいく。
キャラクター主体の従来の日本の漫画映画を指す“アニメ”とも区別するため、山村さんは
あえて“アニメーション”という名称を使う。
「絵は、絵の具を厚く塗ったり、色鉛筆のざらっとした感じだったり、水彩の溶けた印象だったり、
そういう画面上の質感を構成することで成り立っている。肌合いや風合いもアニメーションの
画面を構成する上で大事だなと思ったんです」。絵画を勉強したこともあり、アニメーションとの
関連性をずっと考えてきたという。
例えば、代表作「頭山」は、原画を鉛筆、色鉛筆、カラーマーカー、油性ペンを使い分けて描いた。
緻密な表現でありながら、絵本のような素朴で温かみのある絵。CGではなかなか見られないような
素材感が伝わってくる。
たしかに、デジタル技術の進歩もいちじるしい。「CGの技術の精度は上がっていて、空気感や
霧の感じまで表現できている作品はある。しかし、それでも作り物感はぬぐえない。おおもとの
リアルな物質感がないと思うのです」
何よりも想像力に差が出る、と感じている。「線で描かれた丸の形が人の顔や石に見えたり
しますが、簡略化された線や面に意味を見いだすのは、人間の想像力が補っているから。
本当に人の顔が映っているわけではない。絵は一本の線だけでいろんなものを想像させる力がある。
CGは作り込んでいくから説明になってしまって、想像力がそがれてしまう」
昨今の活躍はめざましい。今年1月に放送された大同生命のCMは、海や船、星空などおとぎ話の
ような構成の作品で話題を呼んだ。映画「カフカ田舎医者」(平成19年)は、世界の主要な
アニメーション映画祭でグランプリになるなど数々の栄誉に輝き、各地で順次上映されている。
東京芸大の教授としての挑戦は-。「アニメーションを社会現象の面でとらえた評論はありますが、
絵画的な分析はみられない。学生と一緒に考えていきたいですね」
MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/game/080426/gam0804260758002-n1.htm
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