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2007/11/08 (Thu)
アニメーションの金字塔にしてアニメビジネスの最優良児が「機動戦士ガンダム」だ。プラモデルの販売が
3億8000万個を超え、DVDシリーズも累計1400万本近くを売り上げる。12月21日にバンダイビジュアルが
発売するDVD「機動戦士ガンダム 劇場版メモリアルボックス」(1万8900円)は、1979年放送の
最初のTVシリーズを3部作にして、81年から82年にかけ劇場公開したものをセット。
公開当時を知る古手のファンから原点を見たい新しいファンまで、幅広い世代にアピールする。

最新鋭のロボット「ガンダム」を操る天才少年アムロ・レイを演じた古谷徹さん(54)が言う。

 「過去の自分は超えられない」

アムロの好敵手として活躍したシャア・アズナブル役の池田秀一さん(57)も追随する。

 「超えられないですね」

DVD商品「機動戦士ガンダム 劇場版メモリアルボックス」の特徴は映像の高画質化と
公開当時のオリジナル音声の収録。最後の「機動戦士ガンダム3 めぐりあい宇宙編」公開から
25年を経て、2人の主演声優が自分たちの演技を振り返る。

■人生の転機

実はこの劇場版3部作。2000年に音声を新たに録り直したものが「特別版」として発売されている。
当時もアフレコに参加した古谷さんは「プロの声優としてキャリアを積んだ後で演じたアムロ。魅力もあると思う」
と評価し、池田さんも「1つの曲がアレンジを変え長い間歌い継がれているように、今の池田で良いと思ってやった」
と話す。ただ「世間知らずでピュアな部分があった25歳で演じたところが、16歳のアムロにうまく投影できた」
と古谷さん。劇場公開当時の演技にはかけがえの無さもある。

特別版が“原点”になっている若いファンがオリジナル版を見て若さゆえの熱気を感じ、経験が演技にもたらす
厚みを思う。オリジナル版発売がもたらす意味は懐古にとどまらない広がりを持つ。

ベテランになった2人の出演者にとり「機動戦士ガンダム」は、共に人生の転機となった作品だ。

中学生で演じた「巨人の星」の星飛雄馬が当たり、熱血ヒーローのイメージが強烈に付いた古谷さんだが、
一方で「このままではプロの声優として一生やっていくのが難しいと悩んでいた」。

そこに来たアムロという役は、「初めてだった」という戦いが嫌いな引っ込み思案の少年。

「日常会話は、効果音やBGMに埋もれるくらい、小さなボリュームでしゃべり、敵に切りかかっていくときは、
怖いからとマイクが壊れてしまうくらい大声を出した」

多感な少年の繊細さにあふれた演技は、古谷さんの新たな看板となった。

「シャアに呼ばれた」とオーディションの当時を話すのが池田さん。アムロ役で受けようとして、
会場に張ってあったキャラクターの絵が放つ雰囲気にひかれ切り替えた。NHKドラマの「次郎物語」で
天才子役と評判になり、強烈な印象を残していたが、シャアの役が過去のイメージを覆した。

シャアのイメージが強くなり過ぎた時期もあったが「この年になったら、もうあとはずっと引きずっていきたい」
と笑って話す。




ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0711/07/news044.html
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