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2024/11/27 (Wed)
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2007/08/18 (Sat)
石川光久社長率いる「プロダクション・アイジー」は、高い技術力が国内外で高く評価
されているアニメ会社である。2005年12月には上場も果たし、今年で創業20年の節目を
迎える。
近年は経営者としての活躍が目立つ石川氏だが、彼が優秀なプロデューサーであることは
論を待たない。
「海外では、会社の看板より個人の信用が重視される。組織の信用を重んじる日本人は、
『当社はこれだけの実績を持っていて……』などと、ハリウッドに対してプレゼンをする。
でも、そういうアプローチでは反感は買っても共感は呼ばない――何しろ相手は、『エンタ
テイメント産業では我々が世界一だ』と自負しているんだから。むしろ、売り込むべきは人。
個人の資質。信用してくれるまで粘って、信頼関係を作ることが大切なんだよ」
そう石川氏は語る。
同社では、97年にアメリカ現地法人を設立。他社に先駆けて海外市場に目を向け、版権事業を
展開してきた。競合も多く、飽和状態の国内アニメ市場では、今後の成長は見込めないと
感じていたからだ。
低賃金、長時間勤務の労働環境が問題となっている業界だけに、「国内のアニメ市場だけを
狙うのなら、クリエーターが不幸になる。そんな経営をするのであれば、アニメ会社なんて
やらないほうがいい」と断言する。
新たな分野に挑戦する姿勢は、今でも変わらない。今後は、ハリウッドで築いた人脈を武器に、
コミッション・ビジネスを始めるという。日米が対等のパートナーとして作品を共同製作
する際に、同社が日米の現場をつなぐ役割をする。つまり、従来のアニメスタジオの枠を
越え、他社の作品のエージェントを務めるというわけだ。
これを海外事業の柱として育て、「数年後には海外売上の7割をコミッション・ビジネスで
稼ぎたい」と語る。
その第一弾が、士郎正宗のSFマンガ『攻殻機動隊』の実写化だ。原作利用権を持つ講談社と
エージェント契約を締結。現在、ハリウッドと交渉を進めている。
『攻殻機動隊』は同社で何度もアニメ化されており、海外にも熱狂的なファンを持つが、
一般的な認知度はそれほど高くない。
「観客数の多い実写作品なら、アニメーションでは越えられなかった壁を越えられる。
『攻殻機動隊』という原石をハリウッドで磨き、ダイヤにする。そのきっかけを作るのが、
僕らの仕事。エージェント業を通じて、ハリウッドで経験を積み、人脈を広げるのも目的の
ひとつ。それを日本の業界に還元したい」と、意気込んでいる。
「『捨てる勇気』が大事なんですよ。経営者であれ、プロデューサーであれ、捨てられない
ヤツはダメ。捨てるからこそ、保守的にならずに挑戦できる。ところが今の日本は安定志向で、
中高生が『公務員になりたい』なんて言う。これまで会社が個人を守りすぎた弊害じゃない
かな。リスクを怖がらず、今あるものを失ってこそ、次の扉が開く。自分の場合、守るべき
地位や肩書きがなかったから、ここまで来れたのかもしれないね」
今春放送が始まった『精霊の守り人』『ライディーン』では、通常なら1年の制作期間に
2、3年を費やすなど、時間も予算もたっぷり与え、経験を積ませている。
「テレビシリーズは『安く、早く』作るのが潮流だけど、それでは〝任せた〟ことにならない。
時間も金も権限も与えなければ、真の経験にはならないんだよ。それに『あいつに任せたら
自分の地位が危ない』などと心配すると、手離れが悪くなる。上司としてのメンツや
プライドを捨てることも重要だね」
同社は先頃、コミック出版社の「マッグガーデン」と経営統合し、持株会社「IGポート」を
今年11月に設立すると発表した。
「11月からは新生アイジー。挑戦していかないと、会社なんてどんどん衰退してゆく。
チャレンジ精神は忘れちゃいけないよね」
辣腕プロデューサーとしてのポジションを〝捨て〟て、経営者として次のステージに挑む。
BizPlus
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/kajiyama.cfm?i=20070815d6000d6
されているアニメ会社である。2005年12月には上場も果たし、今年で創業20年の節目を
迎える。
近年は経営者としての活躍が目立つ石川氏だが、彼が優秀なプロデューサーであることは
論を待たない。
「海外では、会社の看板より個人の信用が重視される。組織の信用を重んじる日本人は、
『当社はこれだけの実績を持っていて……』などと、ハリウッドに対してプレゼンをする。
でも、そういうアプローチでは反感は買っても共感は呼ばない――何しろ相手は、『エンタ
テイメント産業では我々が世界一だ』と自負しているんだから。むしろ、売り込むべきは人。
個人の資質。信用してくれるまで粘って、信頼関係を作ることが大切なんだよ」
そう石川氏は語る。
同社では、97年にアメリカ現地法人を設立。他社に先駆けて海外市場に目を向け、版権事業を
展開してきた。競合も多く、飽和状態の国内アニメ市場では、今後の成長は見込めないと
感じていたからだ。
低賃金、長時間勤務の労働環境が問題となっている業界だけに、「国内のアニメ市場だけを
狙うのなら、クリエーターが不幸になる。そんな経営をするのであれば、アニメ会社なんて
やらないほうがいい」と断言する。
新たな分野に挑戦する姿勢は、今でも変わらない。今後は、ハリウッドで築いた人脈を武器に、
コミッション・ビジネスを始めるという。日米が対等のパートナーとして作品を共同製作
する際に、同社が日米の現場をつなぐ役割をする。つまり、従来のアニメスタジオの枠を
越え、他社の作品のエージェントを務めるというわけだ。
これを海外事業の柱として育て、「数年後には海外売上の7割をコミッション・ビジネスで
稼ぎたい」と語る。
その第一弾が、士郎正宗のSFマンガ『攻殻機動隊』の実写化だ。原作利用権を持つ講談社と
エージェント契約を締結。現在、ハリウッドと交渉を進めている。
『攻殻機動隊』は同社で何度もアニメ化されており、海外にも熱狂的なファンを持つが、
一般的な認知度はそれほど高くない。
「観客数の多い実写作品なら、アニメーションでは越えられなかった壁を越えられる。
『攻殻機動隊』という原石をハリウッドで磨き、ダイヤにする。そのきっかけを作るのが、
僕らの仕事。エージェント業を通じて、ハリウッドで経験を積み、人脈を広げるのも目的の
ひとつ。それを日本の業界に還元したい」と、意気込んでいる。
「『捨てる勇気』が大事なんですよ。経営者であれ、プロデューサーであれ、捨てられない
ヤツはダメ。捨てるからこそ、保守的にならずに挑戦できる。ところが今の日本は安定志向で、
中高生が『公務員になりたい』なんて言う。これまで会社が個人を守りすぎた弊害じゃない
かな。リスクを怖がらず、今あるものを失ってこそ、次の扉が開く。自分の場合、守るべき
地位や肩書きがなかったから、ここまで来れたのかもしれないね」
今春放送が始まった『精霊の守り人』『ライディーン』では、通常なら1年の制作期間に
2、3年を費やすなど、時間も予算もたっぷり与え、経験を積ませている。
「テレビシリーズは『安く、早く』作るのが潮流だけど、それでは〝任せた〟ことにならない。
時間も金も権限も与えなければ、真の経験にはならないんだよ。それに『あいつに任せたら
自分の地位が危ない』などと心配すると、手離れが悪くなる。上司としてのメンツや
プライドを捨てることも重要だね」
同社は先頃、コミック出版社の「マッグガーデン」と経営統合し、持株会社「IGポート」を
今年11月に設立すると発表した。
「11月からは新生アイジー。挑戦していかないと、会社なんてどんどん衰退してゆく。
チャレンジ精神は忘れちゃいけないよね」
辣腕プロデューサーとしてのポジションを〝捨て〟て、経営者として次のステージに挑む。
BizPlus
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/kajiyama.cfm?i=20070815d6000d6
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