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2007/09/21 (Fri)
「レオン」「フィフス・エレメント」のリュック・ベッソン監督が、
「チャーリーとチョコレート工場」の名子役フレディ・ハイモアを主演に迎え、
実写とCGアニメーションを融合させて描くファンタジー・アドベンチャー
「アーサーとミニモイの不思議な国」。3部作構成の1本目である本作のPRで
来日した監督が、アニメーション製作の裏側や監督引退宣言の真相について語ってくれた。
(聞き手:編集部)

――映画はこれまでCGアニメは専門外だった監督が、どのような手段で
アニメーターたちに指示を出していったのですか?

「製作にあたり、アニメーターやデザイナーとのチームワークがすごく大切だったよ。
でも、一番重要だったのはお互いのエリアに踏み込まないこと。CGアニメに関しても、
出来上がった映像に対して自分が求めているものだけを伝えたら、あとは全て
アニメーターに任せるんだ。私はコンピューターを全く扱わないし、マウスにすら
触りたくないからね(笑)。むしろ彼らがやってることは知りたくない。ただ
自分の欲しいものは常に伝えていて、それが2時間でできるものでも2年間かかるものでも
関係なく注文したよ。アニメーションスタッフから文句を言われることも全然なかったな」

――ミニモイの王女セレニア(声/マドンナ)の製作には4年を費やしたとか。
何が一番大変でしたか?

「あまり人間に近くないキャラクターはそれほと大変じゃないんだけど、人間的になれば
なるほど難しくなるんだ。それが見た目の美しい女の子ならなおさらだよ。とにかく
苦労したのは顔の部分で、目や鼻を少し動かすだけで印象が全く変わってしまうんだ。
セレニアはとても美しいけど、あれは4年間の整形手術を経た美しさなんだ(笑)」

――この映画は“ピクサーと宮崎アニメの間”だとおっしゃっていましたが、
それはどういう意味でしょうか?

「アメリカのアニメはビジネス優先で作られてると思うけど、宮崎アニメには
宮崎監督の脳と心の音を感じるんだ。私の場合も、自分の心から沸いてくる
ストーリーだけを作っている。よくアメリカのスタジオがやるように、
モニター試写で観客の反応をリサーチしたりなんかしない。たとえ完成したものを
観客が気に入らなくても仕方のないことだ。宮崎監督は日本人で
私はヨーロッパ出身だから、そういう意味で“ピクサーと宮崎アニメの間”と表現したんだ」

――かねてから「10本映画を撮ったら引退する」と宣言されてますが、3部作の終了後は
製作業に専念するのでしょうか? それとも映画以外にやりたいことがあるのですか?

「これは私の中での“映画”と“人生”のサイズの差なんだ。人生の中で
映画を作らなくてもやることがたくさんあるから心配しないで(笑)。
何をやろうかというプランもあるんだ」

――そのプランを教えていただけませんか?

「まだ『2』『3』の撮影があるからね。2010年までは製作に携わってるから、
その間で身の振り方も変わるかもしれないし、今はまだ何とも言えないな」

eiga.com
http://eiga.com/special/show/1296
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